
台湾人の悲哀
自由時報コラム:「自由談」
台湾人は実に哀れだ。長年、世界保健機構(WHO)に加盟したいと願ってきたが、SARSの病毒に犯されている今になって、僅かながらやっと機会が巡ってきた。だが、この僅かな機会も、中国の反対のもと、消え去ろうとしている。
李登輝前総統は数年前、「台湾人として生まれた悲哀」を嘆いた。その際、「祖国」に憧れている統一派の人たちは、後ろに「祖国」があるから、台湾人は哀れではないといった。だが、「祖国」を自称する中国が台湾に圧力を加えていなければ、現在の政治、経済の実力から見て、台湾人は胸を張って堂々と国際社会に参画し、諸国の礼遇と尊敬を勝ち取っていたはずだ。台湾人の悲哀の源は、実に対岸の不条理な覇権主義者にあるのだ。
中国がくれたものは、ミサイルと疫病のほかに、何があろうか。中国が台湾に対して、好意を持っているか否か探究するのに、何も難しい議論をする必要はないし、耳障りの良いスローガンも必要ない。彼等が実際行っていることを見れば、ハッキリした答えが得られよう。
ある地域で疫病が発生し、人民の生命が脅威にさらされているとき、人間としての感情がある人なら、強い関心を払い、自動的に援助の手を差し伸べるはずで、ましてや「血は水より濃おし」と自称する「同胞」である。ところが驚くべきことに、日本、米国、ヨーロッパ諸国の政府、議会や各国メディアが、台湾は国際医療機関から排除されるべきでないと呼びかけているのに、中国だけが強硬に、台湾のWHO加盟に反対しているのだ。
このような「祖国」を持って、台湾人は哀れでないといえようか。
〈2003/5/15 自由時報より〉
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