李登輝氏の主張

ジャーナリスト 金恒[火韋]


李登輝前総統は先程、世界台湾同郷会総会で演説を行い、中華民国の国名を「台湾」と正し、現在の憲法はもはや小手先の改定では済まされないから、新たに制定するべきだと主張した。李前総統のこのような主張は目新しいものではなく、すでに多くの人が提案している。ただ、前総統の口から出ると、特別な意味を持つ。

要は、台湾には言論の自由があり、いかなる人も、自分の政治信条を発表する自由があるということだ。これは、李前総統が在任中に民主化を推進した成果のひとつである。現在、李氏は一介の平民として、言いたいことは何でも言えるが、これこそ「前総統李登輝」の恩恵をこうむっていると言えよう。

以前、李登輝氏は国民党の主席であり、総統であったため、台湾のために新しい価値体系を構築しつつも、口に出して話せないこと、実行に移せないことなど、多々あった。

しかし今は違う。自由な時代になって、彼は言うべきことを言い、やるべきことをやるようになった。「511正名運動」の発起人総代を自ら買って出て、20万群衆の一大デモ行進を呼びかけているのである。李登輝氏は、在職中も引退後も、信ずるところに従い、前に向かって突き進む気概は、一向に変わらない。前総統の呼びかけの下、台湾民間の本土意識を代表する声は、前総統を中核として結集し、民主化、本土化運動の新たなブームを引き起こすだろう。

当然のことだが、李前総統の主張は、外来政権の亡骸を抱きつづける親中統一派に大きなショックとプレッシャをもたらし、反発、抗議の声が相次いだ。李前総統の主張に反発、抗議したのは、親中統一派だけではなく、中国までが名乗り出たのである。

台湾のアイデンティティを語るとき、連戦、宋楚瑜ら親中統一派の考えが、400基のミサイルを台湾に向けている中国と、なんと完全に一致しているのだ。これにより、台湾と中国の敵味方の違いはもとより、本土派と親中統一派の区別もはっきりして、国民はよりよい選択の基準が得られるだろう。

(2003年3月17日鯨魚電子報より)

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